アレルギー疾患
アレルギー疾患

アレルギーによって気管支に炎症が起こり、気管支が狭くなって呼吸が苦しくなる病気です。激しい咳とともにゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音、息苦しさ、呼吸困難を繰り返します。喘息が起きる原因は多岐にわたり、遺伝的な素因と環境要因が混在して発症します。喘息発作を起こす原因は、風邪などの感染、ダニやハウスダスト、イヌ、ネコなどの動物のフケや毛など様々です。気候の変化、タバコやアルコールによる刺激などでも生じることがあります。
喘息による気道狭窄は自然にあるいは治療により元の状態に戻りますが、治療せずに放置すると繰り返す炎症により気道の構造が変化し(リモデリング)、元の状態に戻らなくなります。そのため早期に適切な診断を受け、治療を開始することが大切です。治療には、環境整備とともに発作が起きた時の治療と発作を予防する治療があります。発作時には気管支を広げる吸入薬や内服薬を使用します。また発作を予防する治療には、気道の炎症を抑えるステロイド吸入や重症喘息に対しての生物学的製剤があります。
かゆみのある湿疹が慢性的に持続します。アトピー素因(アレルギー体質)や環境要因など複合的な要因で発症します。湿疹は乳児期には頭や顔から始まり、幼少期は手足や首に、思春期以降は上半身を中心に全身に広がっていきます。治療は、皮膚のバリア機能を補うためのスキンケア、炎症を抑えるためのステロイドや免疫抑制薬の外用薬、かゆみを軽減させる抗ヒスタミン薬内服、既存の治療で効果が不十分な場合は生物学的製剤の内服薬や注射薬があります。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、多くの場合強いかゆみを伴います。通常は24時間以内に跡形もなく消えますが、症状が激しい場合には次々と新しい皮疹が出現します。6週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上続く場合を慢性じんましんと呼びます。じんましんの治療は、まず原因が明らかな場合はそれらを取り除くまたは避けることです。薬物治療としては抗ヒスタミン薬の飲み薬が中心となります。原因が特定されない慢性じんましんで抗ヒスタミン薬によって改善しない場合には生物学的製剤の注射薬を使用することもあります。
アレルギー性鼻炎・結膜炎は、スギ花粉などによって引き起こされる季節性アレルギー(花粉症)と、ダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギーに大別されます。花粉症は、春はスギ、ヒノキ花粉、夏はイネ科、秋はブタクサなど、季節によってアレルゲンとなる花粉の種類が異なりますが、複数の花粉にアレルギーが認められる方も珍しくありません。
症状は季節性・通年性のいずれも透明なサラサラした鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、充血などです。治療はまず原因が特定できる場合には可能な限り原因の回避と除去(こまめな掃除など)を行い、そのうえで薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法などを症状や重症度に応じて組み合わせて行います。
薬物療法として抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬、鼻づまりを改善する効果があるロイコトリエン受容体拮抗薬、重症花粉症に対しては生物学的製剤などを用い、アレルギー性結膜炎にはアレルギー反応を抑える抗アレルギー点眼薬を用いて目のかゆみの症状を改善します。ダニやスギに関してはアレルゲン免疫療法も行われます。
アレルゲンを少量から長期間(通常3~5年)投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を緩和させる治療法です。
スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサなどの植物の花粉がアレルゲンとなって起こるアレルギー疾患です。現在国民の3人に1人は花粉症と報告されています。近年は小児の発症年齢が低下しており、幼児期から症状が見られるケースも増えています。くしゃみ・鼻水・鼻づまり(アレルギー性鼻炎)と、目の痒み・充血・涙目(アレルギー性結膜炎)の症状がそれぞれの花粉が飛散する時期にみられます。
症状が重なると、集中力の低下・睡眠の質の低下・日常生活への支障など、QOLに影響することもあります。花粉の飛散が多い時期の対策として、外出時にマスク・メガネを着用する・帰宅時には花粉を家の中に持ち込まないように衣服の花粉を落とす・洗顔・うがいをするなどが有効です。花粉の多い時期には布団や洗濯物の外干しは避けましょう。
治療はアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の治療と同じです。症状を和らげる抗ヒスタミン薬内服・点鼻薬・点眼薬などが使われます。症状が出始める前から薬を使い始める「初期療法」は、症状を軽くする可能性があります。これらの治療を行っても抑えきれない重症の花粉症では、生物学的製剤を用いることもあります。舌下免疫療法はスギ花粉症とダニアレルギーに対して根本的な体質改善を目指す治療で、5歳以上から開始できます。
治療期間は3年~5年と長期にわたりますが、それぞれの症状を和らげるだけではなく、全身的に効果が期待できる治療法です。「毎年つらい症状が続いている」「薬を飲んでも効果が不十分」と感じる場合は、ぜひご相談ください。
特定の食べ物を摂取した際に免疫が過剰に反応し、じんましん、嘔吐、下痢、咳などの症状が引き起こされる病気です。ときに血圧低下や意識障害、呼吸困難など生命を脅かす危険な状態に至ることもあります。乳幼児は鶏卵、牛乳、小麦が主な原因で年齢の経過とともに緩和するケースがある一方、ナッツや魚介類、果物は成人に多く治りにくい傾向があります。
食物アレルギーは症状や重症度に個人差があり、原因となる食物アレルゲンも人によって異なります。食物アレルギーの対応と治療は、専門医の下で安全を確保しながら食物経口負荷試験を行うことで必要最小限の除去を行い食生活のQOLをできるだけ向上させること、また状況によっては経口免疫療法により少量から毎日継続して摂取することで体を慣らし耐性を獲得する治療も行います。
また近年では花粉症の人が特定の果物や野菜を食べた際に口の中やのどにかゆみや違和感を引き起こす口腔アレルギー(花粉・食物アレルギー症候群)も増加しています。血液検査やプリックテストで診断します。現在根本的な治療法は確立していませんが原因食物の生食を避け加熱加工して食べるなどの対策が有効です。
皮膚にアレルゲンを垂らし、その上から専用の針で軽く刺して皮膚のふくらみや赤味でアレルギーを判定する検査です。専用の針で直接原因食物を刺し、その針を前腕の皮膚に刺して検査を行うプリック‐プリックテストもあります。
アナフィラキシーは食物、薬剤、虫刺され(ハチなど)などによるアレルギー反応により、皮膚症状、腹痛、嘔吐、息苦しさなど複数の臓器に同時あるいは急激に症状が出現して進行する状態です。原因物質を摂取/接触してから数分~30分以内に症状が起こることが多いです。特に血圧の低下、意識レベルの低下を伴う命に関わる危険な状態をアナフィラキシーショックといい、速やかな医療機関への受診が不可欠です。アナフィラキシーの既往がある方やアナフィラキシーを起こす危険性が高いと判断される場合は必要に応じてアドレナリンの注射薬や点鼻薬を携帯することが大切です。
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